有機JAS法が制定されて10年、有機農業推進法の制定から4年が経過しました。その間、数多くの食品事故により、消費者の食の安心、安全に対する関心度がますます高まり、同時に農薬や化学肥料の環境に及ぼす影響への関心も大きくなりました。その結果、有機農業、環境保全型農業、あるいはオーガニック食品への期待がより大きな広がりを見せています。
また世界的動向としては、国際有機農業運動連盟(IFOAM)の発表によると2007年のEU加盟国の有機栽培面積は780万ha(全農地の約4%)。その市場規模は2006年で約2.6兆円に達し、成長率は20%前後を保っています。アメリカでも2007年には市場規模2兆円、全食品に占めるオーガニック市場は3%を超え、韓国では有機農業の全農地に占める割合は2006年で日本の3倍以上に当たる0.46%にまで成長し、オーガニック食品市場は年率30〜40%での成長が続いています。2010年には世界で約6兆円強のマーケットになるという推測もあります。
一方日本では、本来大きな成長力を持つオーガニックマーケットにも関わらず、全農産物に占める有機農産物の割合は0.18%(2008年)にとどまっています。いくつかの要因が考えられますが、これまでのところ、単発的な消費者意識調査、市場調査はあるものの、IFOAMジャパンが2003年に独自に実施した調査と、FAO(国連農業食糧機構)および世界銀行からの依頼により2004年に行った調査以外に、総合的で経年的な変化を把握できる継続的な市場調査は行われていないのが実態です。
そのために、国内の市場規模さえ把握されていず、何が成長の阻害要因か、フードチェーンのどこに問題があり、それぞれ何をし、どう連携すれば大きな成長につながるのか明快な指針を出せないのが現状でした。
そこで今回、IFOAMジャパンのプロジェクトとして、私たちは昨年6月、オーガニックマーケットリサーチプロジェクト(OMRプロジェクト)を発足。日本のオーガニック市場規模の実態を知るために生産者から加工、輸入、流通、販売、消費者までのフードチェーンとその連携に焦点を当てた総合的な実態調査を行いました。農業、商業、工業の連携(農商工連携)、さらに研究機関、行政機関、民間企業との連携がどうなっているか、この調査によって日本におけるオーガニック市場の規模や全体像を把握し、その成長の可能性、方向性を導き出すことができました。ご協賛頂いた団体に改めて御礼申し上げます。 |